不滅のベスト

不滅のベスト

不滅の旅へ

 

様々な様相の人たち。ギターデモCD衣類。
俺は最近貯めている「目」という名のプレイリストをシャッフル再生していた。このプレイリストは何だろう?
肩を叩かれ振り返ると室崎智也(M・T)。すごい薄着の若い外国人女性がすごいスピードで目の前を横切る。
JAMES BOOKERの流れるヘッドホンを外した。


チェックインを終えると山本不様編から電話が入っていた。名古屋でやるといったら来ると言って、いま来ている。
たまたま同じ便になったので合流する。不様編とは高校で出会った。
不様編はM・Tがサンドイッチを食べている間じゅう、俺が朝食を摂っていないことを小馬鹿にしていた。晴人も合流。


列が進む度荷物を出したりしまったり服を脱いだり着たりの眼鏡。みんなの足元をはねるまわる双子。
保安検査場を抜け、我々はそのまま飛行機に乗った。


少し寝て起きてからはkiss the gamblerの「黙想」を聞いていた。
kiss the gamblerの出す音はすごい。すべての音が旅を気づかせる。
どんな場所にいても何をしていても。
誰かが音楽を作り出すこといや違うなもっと根源的なものだ。
声を発したり音を立てたり誰かに何かを伝えたりすることの素晴らしさ。その連続の中に人はいる。
それが通じて心の底から嬉しかったり、誤解されたんじゃないかとむずがゆかったり全然意味のないことをひとりで言ってみたり鼻歌歌ったりの。
誰ものそのすべてが、誰かの手によって邪魔されるはずがないと強く思った。


中部国際空港に到着。本は読む気にならなかった。
俺は飛行機に乗るのが好きだな。北海道に住んでいると余計に飛行機に乗ることができるのでよかったなと思う。


不様編とは空港で別れた。天国旅行の三人は鶴舞で待つ岳をめがけ名鉄に乗る。
道中わからないことを何度か駅員の方に尋ねたが、俺はさしずめ駅員の方によって側溝へはかれた唾だった。そのいずれも。痺れた。


「クレイジークレーマーvol.7」の会場であるK.Dハポンで岳と合流。手を振っている。
すでにUlulUがリハ中だったので、主催のテルさん、ハポンの方々に軽く挨拶をし、
機材を置いた。UlulU、テルさんとお会いするのは昨年10月23日ユリナさん主催「気」ぶりだ。


四人そろった天国旅行は昼食を摂りにいくことにした。
カレーを食いたいということで調べてでてきた「Kussiya-Srilanka~スリランカの台所~」へ向かう。
地下鉄を降り住宅街を数分歩くと現場事務所のような雑然とした2階建ての建物が現れた。


「Kussiya-Srilanka~スリランカの台所~」。

屋外の階段で二階へ上がり、小さな台に置かれた指示書通りインターホンを鳴らす。
すこしして、お店の方が少しの笑顔を浮かべて同じく屋外の階段からあがってきた。スリランカの方なのだろうか。

ベランダから部屋へ上がるような形だが土足。土足でクッションフロア。申し訳ないような気がした。
ラーメン屋にありそうな黒塗りの木製の正方形のテーブルが2つ。なんの変哲もない丸テーブルが2つ。
ラーメン屋の方に通された我々は激しさの予感に身もだえが止まらない。レビューには「非常においしいがいくらなんでも辛すぎる」とあった。

簡易的で見やすいメニューを回覧した結果全員同じ「チキンカレーとバスマティライス」を注文することになった。
そして「チキンカレーとバスマティライス」が届けられた。
めちゃくちゃ辛くてめちゃくちゃうまかった。
お店の方の笑顔。


店を後にした我々は道中で服などを見つつ、リハへと向かった。


K.DハポンYAMAHAのアンプの鳴りがすごく好きなのでリハから楽しみだった。
言うまでもなくK.Dハポンで音を鳴らせることがすごく楽しみだった。


天国旅行はトップバッターなのでそのまま機材を残し、顔合わせをする。いい演奏になると思った。


近くのコンビニで何をしていたのかわからないが何かをしていたらUlulUの古沢さんが来た。
古沢さんと話していると真心ってすごいなと思う。その瞬間その場に立ち会っていることの衝撃を感じさせられる。どんなことを話していても暖かい。凄まじい人だ。これが好きだとか価値観の示し合わせやすり合わせをしたことなど一度もないが日々の歩き方がすごく似ているんじゃないかなと思っている。そこには目の前の全ての事象と自分の行いがある。そこに音楽がある。初めて会った時もそう感じたが今回はなおさらそう思った。そんな風に感じる人とは初めて出会った。何かちょこちょこ話しながら出番になる。


演奏する。終ってから、いままでの演奏で一番バンドだと思った。
それがどういう意味なのか、どうなっている状態なのか判断がつかなかった。
晴人とはいろいろ話した。一番バンドだったよねという話になる。
また天国旅行で演奏したい。
「気」から2度目のwakaさん撮影天国旅行を何度も見ても同じことを思った。
天国旅行めっちゃ好きだ。


Jurassic Boysは最高だった。本当に嬉しかった。
純粋にただそこにいられることが心の底から嬉しかった。
全ての演奏が良かった。みんな衝撃をくらってしまった。
Jurassic Boysの演奏が始まった瞬間、嬉しすぎてラムチャイのホットを注文してしまった。
俺は熱いティーカップを皿の上に乗せ、こぼれないように一生懸命飲んだ。
楽しかった。Jurassic Boys。Jurassic Boys!!

ずっと聴いてきた音楽がそこにあって本当にかっこよくてこういうのっていつぶりだろう。すばらしかとはじめて一緒にやれたときぶりだろうか。


不様編やみんなで外をほっつき歩いて火照りを冷ました。
涼しくて気持ちよかった。


コンビニからハポンまで走った。
息が上がったままJurassic Boysに会う。
感謝を伝えた。足りないが。
そのまま中へ入るとUlulUが演奏していた。
言葉はまだなくてソウルだった。
UlulUの歌と演奏がハポンの吹抜に響いていた。
感動したってこういうことを言うんだろう。
最高の演奏だった。終わらないでほしかった。


ライブが全部終わって、みんなで外で物販になる。札幌では考えられない選択肢。
デモCDをたくさん買ってもらった。言葉もたくさんもらった。
そしてお手紙を初めてもらった。嬉しかった。


箱で打ち上げていろんな人と話したが話し足りなかった。写真を撮ってもらったりしていたらすぐに時間になってしまう。バンドは帰りがあるのでみんな帰って行った。天国旅行は泊まりなので行こうやと言ってハポンの隣にある「バリバリ屋」に行った。クレイジークレーマーには東京からユリナさんも来てくれていた。「ヤッホー」と言って現れた。ユリナさんテルさん不様編天国旅行が席につく。そんなに酔っぱらっていたわけではないはずだが俺は何を話したのかほとんど覚えていない。とにかくなにを頼んでもうまくて食べまくった。焼きカレーが本当においしかった。お店の方がすごく優しかった。
お店を出る直前、M・Tがスタンドで何が一番好きかと問うた。俺は反射的にセックスピストルズと言った。不様編はグレイトフルデッドと言った。そしてM・Tはスティッキーフィンガーズと言った。


我々は歩いた。「天然温泉アーバンクア SPA & LIVING」まで。

 

いつの間にか俺は数時間前に居てUlulUを観ている。夕方のサマーランドを演奏するUlulUのみんなの機微や演奏が胸になだれ込んできて朝になった。胸に確かな熱を帯びたまま。

 

死ぬまで終わらない旅。街や人やものは通り過ぎる。俺は旅を続けたい。そして旅を不滅のものにしたい。そのために記録もしよう。

 

何度目かのサウナ後の露天で、あまりの気持ちよさに吹き出してしまった。滴る水などがおかしくて仕方がなかった。

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テルさんに喫茶「サンジェルマン」へ連れて行ってもらう。

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商店街のブラジル料理店。鶏の丸焼き。うますぎる。バンドから出資しみんなで食べた。道中「Kussiya-Srilanka~スリランカの台所~」のお店の方に会った。あ、と思ったら、昨日より少しシャイな笑顔を浮かべて手を振ってくれた。嬉しかった。

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ブラジルコーヒー。アイスココア美味しくてすごく回復した。レコードも買った。紹介文がどれもすばらしくて晴人はバンドがオールディーズを演奏しているレコード、俺はスマイリールイスのレコードを買った。その後公園。気持ちよかった。
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帰りの車窓。
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帰りの飛行機の中、もらったお手紙を何度も読んで、掴んだ言葉を携帯に打ち込みまくった。いますぐに伝えたいことがあった。