不滅のベスト

不滅のベスト

親愛なる

昼から不様編と大通をぶらつく。立ち寄ったセカストでSPALDINGの単なる黒い靴を履いてみたらポンと音を立て足にフィットし瞬間俺は「来た。」と言っていた。その感じがおかしかった。買った。どこにでも簡単に履いていけそうで、かつ簡単に履く以外の履き方はできないみたいな靴。その場で履き替え澄川へ向う。

駅前の病院の中にある喫茶店コスタリカ」は昔からずっと病院の中にある。近所の数少ない喫茶店のなかで、一度も行ったことがないのは「コスタリカ」だけだ。

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休みの病院の入り口からすぐ右手にある木製の一角が喫茶「コスタリカ」だ。開けっ放しのドアの内に見える色調がやけに落ち着いていて、俺と不様編はそのなかに吸い込まれるようにして「コスタリカ」へ入っていった。薄暗い病院の廊下を背に。

店内に入った瞬間、気の安定を感じた。ズン。おわっなんだと思う。自分の気なのか、場の気なのかはわからない。家具や装飾のすべてが床や壁へズンと定着している。そして気になることがある。ほかの客は?ほかの客の数人は確かにそこにいる。だが「コスタリカ」ではそれがわからなかった。客は奥の席に見えるが、人がいるとは感じられない。これはなんだ。すごく気持ちがよかった。

俺と不様編はホットコーヒーを注文する。俺はなんか間違えてミルクセーキも注文してしまう。それから俺たちは本を読んだり作業をしたりして過ごした。

コスタリカ」。

居心地が良い、ではなく、居心地が必要ない。誰でもそこにいて当然である。だから誰も「居ない」、わざわざ「居る」必要がない。本当に自然な状態がただそこに存在する。存在するすべては「コスタリカ」のなかで常に等しい。

これは「シック」であるのか。あるがままに、ごく自然に、当然に、人が人の行い全うするためのシック。

俺は祖父母の家を思う。シックという言葉から連想されるのはいつも祖父母の家だった。「コスタリカ」。子供の頃はいつも友達と祖父母の家に泊まれたらどんなにワクワクするだろうと思っていたし夢にも見ていた。

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祖父が昔作った蝶の標本。祖父はなんでも作った。祖父と俺はいつも朝から晩まで車庫に入り浸り端材を切り削り組み合わせてはそれを金槌で打ったり接着材でくっつけたりしてなんか作った。祖父は作ること自体が好きなのだと思う。俺はいつも何かが欲しかった。相棒のような何かが。

 

会計を済ませ店を出ようとしたとき、壁際に古い装飾品などを販売している小さな棚があることに気が付いた。腕輪と指輪を手にとってみる。すごくしっくりきて嬉しい。おそらく経年で黒に近くなっている緑の石がはまった指輪。石を支えるようにしてハート型の装飾が施されている。それと、伸縮性のあるばねのようなシルバーの腕輪。袖を捲し上げたりするためのものなのだと思う。これはいま自分が持つのにいいと思った。いつか誰かに手渡したい。買った。不様編も同じ腕輪の俺のより太いものを買った。揃いだ。

今度一人でも来よう。本を何冊か持って来よう。俺と不様編は買ったばかりの指輪と腕輪をはめ俺の家へ向かった。冷たい風がたまにふき、気持ちよかった。

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家についた俺たちは音楽をかけて踊った。

Fairground Attraction / Perfect

Weezer / Paperface

・The Pastels / Summer Rain

・The Pretenders / Don't Get Me Wrong

MGMT / Brian Eno

Sly & the Family Stone / I Want to Take You Higher

・Eddie Parker / Love You Baby

James Brown / I Can't Stand Myself (When You Touch Me) ほか

不様編の帰宅後家で見た映画

・ライアーライアー

マン・オン・ザ・ムーン

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数日間右往左往!旅を忘れた!もう過ぎた時間に囚われ依存し意地を張り主張し、それにより生まれた断絶にまた依存した。無鉄砲に目の前の人のことがわからなかった。受け容れることができなかった。そんなことを続ける限り孤独になるしかない。俺が大事にしたいのはそんなことではないだろうと思う。目を閉じた暗闇の内にすべての旅は続いている!忘れてしまったのならば思い出せばいい。旅はいつでもそこにある。そしていま誰かが目の前にいる。やることはひとつでその瞬間を全力で楽しむだけだ。

不様編がBlack Country, New Roadの「Turbines / Pigs」を訳してくれた。期待の内の愛とさみしさ、昨日いたあなたはいまどこにいるんだろう。表情は何に向けられたものだったんだろう。そして自分のこの孤独はなんだろう。胸の鼓動は不安定だけどはっきりしている。どこへ行こう。これは歌だ。とても凛々しく、かけがえのない音楽だ。心だ。BN,CRあなたたちの音楽は素晴らしい!

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昼過ぎシーラカンスに機材を置き札幌駅へ。HOGO地球がやってきた!

zo-sun park田辺さんが先導するHOGO地球と地下で合流しシーラカンスへ向かう。待っていればよかったかもしれないが早く会えたからよかった。

今回の象天国は友達のハイパーミリがHOGO地球に加入すると聞いてすぐに決まった。zo-sun parkも天国旅行もみんな絶対HOGO地球のことが大好きになると思った。やる以外の選択肢がない。

機材置いてラーメン食おうと言いさまよい「SAPPORO餃子製造所」へ。もうビール飲む。「製造所定食(でかい餃子2個・たれザンギ1個・ごはん・味噌汁)を食べた。星野さんも田辺さんも確か製造所定食だった。だらりさんとハイパーミリはなんかいろいろ頼んでいた。うまかった。

店出てシーラカンス。本番のリハ前にそれぞれで入る。最近スタジオでやりはじめた「ファン・ファン」という新曲やってみる。面白い。けどまだ合わせ足りないから次回に持ち越し。まだバンドでやってない新曲もあるんだけど今日は時間ない。はやくやりたいぜおい。

それぞれ交代でリハやったり設営したり買い出ししたりする。で結構すぐオープン。象天国は受付もバンドでやるんだけどそこで来てくれる人みんなと会えるのも楽しい。田辺さんが持ってきてくれたじゃがいも(メークイン)とウェルカムテキーラ配る。zo-sun park天国旅行HOGO地球で選んだ曲が会場から聴こえてくる。

本番。zo-sun park。すごく良いライブだった!熱くて楽しくてめっちゃ笑った。「ぜんぶのにんげん」のアレンジかっこよかった。炸裂って感じだった。気合入っていた。そのおかげで天国旅行もめっちゃ気持ちよくやれた。熱中した。その後HOGO地球演ってくれるのがめっちゃ嬉しかった。買い出したお酒が全部なくなった。テキーラも空になった。そしてHOGO地球のライブ。

もうこれ以上ない。最高だった。三人の出立、揃いようのユニークさ!みんなそれぞれの歌の魅力がすごくて、その三人がドラム、ベース、ギターなのが痺れた。ハイパーミリがやっていたSHAKE BANGSの「Bus stop」もソロの「と・わ・い・ら・い・と」もすごく嬉しかった。

田辺さんをボーカルに迎えてやったザーピーはとんでもなくいい瞬間に立ち会えたと思った。俺がYouTubeやDVDで何回も見たライブ会場にいた人たちもこんな気持ちだったのかなと思う。超嬉しくてはしゃぎすぎた。ダブルアンコールのザーピーぶち終わらせての「帰れ!!」めっちゃ面白かった。

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終演。焼肉「欽ちゃん」で打ち上げ。

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みんなの撮った写真がたくさんある。俺ももっと撮ればよかった。

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象天国をはじめて本当によかった。この3組で象天国を開催できて本当によかった!HOGO地球遠くから来てくれてありがとう。zo-sun parkいつもありがとう。一緒にやれて最高だった!来てくれたみんな本当にありがとう。またやろう。

次の日ライブには行けなかったけど家で「遊ぶ予定E.P」とハイパーミリのソロアルバム「berbell squat」を聴いた。全曲ずっと面白くてすごかった。どっちも最高の傑作だ。ライブでゲットした音源ってたくさん思い出せていいねと思う。子供も踊っていた。

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ハイパーミリ「berbell squat」、HOGO地球「遊ぶ予定E.P」「SIDE CAR」「DOME TOUR」、ハイパーミリがくれたきな粉

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カフカ・スーのMV

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「Look at what we did together, BC, NR friends forever」

Black Country, New Road / Up Song